2012年9月の記事一覧
SGK通信(2012-14)じゃんけん道場
(私はまだスマートフォン持っていないので,残念.Web版が使えます)
SGK通信(2012-13)数学月間懇話会の講演資料
-いただいた数学月間懇話会の講演資料をここに掲載します-
以下の文章は、レジメのつもりで谷が作成したものです。
不正確な段は、ご容赦ください。(↓文責:谷克彦)
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(1)細矢治夫氏、講演資料pdfs-hosoya.pdf
常用対数は高校数学ではアドバンストコースで、対数計算はやらない。これではpHの定義もできない。数学カリキュラムは他教科と連携に大いに係っている。
飽和炭化水素(アルカン)類の炭素の骨組みに対して、トポロジカルIndexの概念を1971年に細矢が定義した。これは、骨格中で、互いに隣接しない辺を選ぶとり方の数の和である。5個の炭素原子が1列に並んだ骨格を持つNペンタン分子を例にとれば、トポロジカルIndexは、Z=p(G,0)+p(G,1)+p(G,2)=1+4+3=8となる。ここで、Gと書いたのは、5つの頂点と4つの辺からなるグラフ、p(G,k)は、グラフG中に、隣り合わないようにk個の辺を選ぶ可能な数である。同じ5個の炭素骨格でも、グラフの型が異なる異性体が5つほどあるが、これらのトポロジカルIndexを求め、沸点温度との相関を見ると、見事に正の相関がある。
閉路グラフに対しても、同様にトポロジカルIndexが定義できる。毛虫グラフに対しても同様である。、
ベンゼン環が連なってできた芳香族(各炭素原子からは4本の結合手がある)で、2重結合の配置の異なる型をケクレ数というが、ケクレ数の大きい構造の方が、共鳴構造が多いので安定になる。トポロジカルIndexも分子の安定性の良い指標になる。さらに、トポロジカルIndexは、整数論と密接な関係がある。フィボナッチ数が出てきたり、連分多項式と毛虫グラフのトポロジカルIndexが等価であったりする。
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(2)石黒真木夫氏、講演資料pdfs-ishiguro.pdf
スタッツという必勝じゃんけんソフトを作った。過去のイベント(5万回ほどのじゃんけんの回数がある)で、子供と対戦させ[30点先取した方が勝ち(じゃんけんの回数にすると、1回のゲームで約100回)とするゲーム]、勝数は負数の約2倍の結果となった。スタッツが出す手を、2回前までのデータを踏まえ決定する。過去2回のデータは、3×3=9個のどれかになり、子供の出した手のデータを1列目に、スタッツの出した手のデータを1行目に表示する。スタッツの今度出す手は、この9×9のマップ内に表示される。これを”じゃんけんマップ”という。スタッツの出すべき手の確率は、勝ちの期待値を最大化するように決めるべきだが。この戦略を読まれてしまっては、逆に負けとなるので、実際にはランダム化との混合戦略をとる。自分の手、相手の手、勝/負の結果など、何をどこまでを考慮して推定するかにより、種々のモデル(スタッツでは14種)が作れる。これらのモデルは対戦する子供の思考過程の表現であり、どのモデルが最もよく合うか知ることは興味深い。この評価関数はAICによった。学生に”じゃんけんソフト”を作らせることは、統計の理解につながり、非常に教育的である。どのソフトが強いか[ソフトと人間の対戦で、勝率が高いのはどれか]を、競わせると面白いだろう。
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SGK通信(2012-12)数学月間懇話会の報告
●今年の数学月間懇話会(7/22)は、50人を越す参加者を得て実施されました。
ご参加の皆様、会場のお世話いただいた河野俊丈先生、岡本和夫先生に、御礼申し上げます。
当日の様子は以下の写真をご覧ください。
●講演会概要は、次号SGK通信(2012-13)に掲載。
SGK通信(2012-11)数学月間の栞
「数学月間」の栞 片瀬 豊(H24.9.3)
日本の数学月間は来年(2013・H24)で8年目を迎えます。更なる継続・蓄積・発展を願いたいものです。数学月間の基本的な筋道は「数学と社会の架け橋」で両者の交流を密にして相互の発展を期待したいところです。学習意欲減退が懸念された数学教育の現場で、挽回の出前授業のアンケートに興味・関心のキーワードが「日常生活に役立つ数学」であった点に嘱目したい。
数学月間(7/22~8/22)のイヴェントをどしどし発案して参画頂きたい。
そのTPOを数学月間の会/SGK:谷 克彦 sgktani@gmail.com にご連絡下さい。
今まで画一的な仕様があるわけではなく、それぞれ独自の発想で進められて来た。個々の大学、研究所、グループ等で登場して来たイヴェントの品質要素を層別して見易くした。新しく発案する、或いは評価する目安としてご覧頂きたい。
Ⅰ 心意気 A 数学は万学に通じる
B 社会は数学を待っている
C 数学教育の再生強化
D 数学と社会の相互交流
Ⅱ 姿。形 α 数学手法を諸科学が活用する(横幹連合)
β 数学と企業の連携したい問題を提言する(九大/文科省)
γ 数学を社会各方面に教える(日本数学協会)
δ 数学者が社会の問題に立ち向かって見せる(米国MAM)
Ⅲ 対象者 1 小中学生・先生 - - - 鳥取大、リスーピア
2 高校生・先生 - - - - 阪大、数学学習の栞
3 大学生・先生 - - - - 上智大、米国MAM
4 社会人・企業人 - - - 東大駒場、お茶大、米国MAM
Ⅳ 着眼点 a (数学)×(社会)
b {(数学)+(社会)}×(教育)
c (数学)×(教育)
d (社会)×(教育)+(数学)
米国では社会の各階層にモニターが居て、毎年の行事を批評する意見が多く集まって次の改善に資する様になっている。この辺はデミング経営哲学(Quality Management)を垣間見る気がする。日本でも評価やご意見をお寄せ頂きたい。