2011年8月の記事一覧

SGK通信(2011-09)とっとりサイエンスワールド

とっとりサイエンスワールド2011(主催:鳥取県,鳥取県数学教育会)
西部地区8月21日(米子),東部地区8月28日(鳥取)で実施されました.
中部地区は,9月25日(倉吉)で実施予定です.
西部では,雨模様の午前中でしたが,550人の参加者,東部では,晴天に恵まれ1256人の参加者がありました.

とっとりサイエンスワールドは,鳥取大学,地域学部,矢部敏昭教授(現副学長)が中心になって2007年にスタートし,
今年で5回目です.すっかり地域に定着したイベントになりました.
地域教育委員会の後援,小中学校の先生方が活動の中心になっています.中高生160人のボランティアの参加もあります.
こうして,子供,両親から老人まで,集まるフェスティバルに発展しました.
小さい子供が,進んで計算力検定に参加したり,問題に挑戦してスタンプを集めています.
数学・算数を恐れず,自分から楽しんでいる雰囲気をみると将来がたのもしい.
ボランティア側も子供達といっしょに数学・算数に親しむことで,数学感覚がいっそう身につきます.
28種ものワークショップ・ブースがあり,立体模型(小簗),万華鏡をつくろう(谷)も参加しています.
まさに地域全体の数学祭りの感があり,「数学月間」の原点を見る思いです.
 
参考:とっとりサイエンスワールド2011: http://www.tottori-u.ac.jp/dd.aspx?itemid=7211
                                                                         
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SGK通信(2011-08)大阪大学.高校生のための公開講座報告

高校生のための公開講座 現代数学への冒険
日時●平成23年8月9日(火)14:00〜15:50
主催●大阪大学理学部
対象●主として高校生(引率の先生も含む)
講師●榎 一郎(大阪大学理学研究科数学専攻 准教授)
題目●オイラー数の幾何
熱気のある楽しい講座だったようです.当日の報告を,主催の杉田洋教授よりいただきました:
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 参加者約80名で会場の教室はほぼ満席で熱気を帯びていました.オイラーの 多面体定理が主題です.まず,この定理の紹介があり,それを用いて,正多面 体が全部で5種類しかないことが示されました.これは大阪大学の2010年入学試 験に出題された整数問題と関係があることが裏話として披露されました.
 次にオイラーの定理「多項式版」を用いて,多角形の内角の和を求める公式 を導きました.その際に用いた三角形分割をヒントに,単体と複体の概念が紹 介され,複体のオイラー数が定義されました.そして,複体Kが円板と「同じ」 (=同相)とき,そのオイラー数は1である,という定理が示されました.続い て,複体Kが球面と「同じ」とき,そのオイラー数は2である,という定理が示 されました.これが古典的なオイラーの多面体定理の証明になっています.
 最後にベッチ数の話まで出てきてトポロジーの研究の発端が少し紹介されま した.講義が終わってから,講師の榎氏は熱心な高校生に取り囲まれて質問に 答えていました.          報告者:杉田洋(大阪大学)
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